【etsona (エソナ)】豊かさと向き合う一皿の世界。一日一組、本当の贅沢が待つプライベートテーブル

尾道の山間、御調町にある一日一組のレストラン。

一軒家で「プライベートテーブル」をコンセプトに、農業に携わるオーナーご夫婦による、自家栽培の野菜を中心としたコース料理。

全10品のコース料理には、お庭の野菜たちをふんだんに使用。保存期間を持たない「生きた味」が体験できます。

東京渋谷で10年以上、人気ワインバーを営んだご夫婦のIターン。ワインセラーもあり、お食事に合わせて様々なワインも楽しめます。

普段目にすることのない野菜も豊富に使われています。季節、時期で細かく変わる、豊かな食体験を楽しめます。

予約はHPから。

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スタッフ訪問レビュー

2022/6/1

2ヶ月前から予約して楽しみにしていた「et sona」さん。

尾道の御調町にある、一日一組限定の一軒家レストランです。

予約はお店のHPから。返信メールにて日程、人数、時間(ランチ限定)やアレルギーの有無などを調整し予約完了!

当日はまるみデパート駐車場に到着したらお迎えに来ていただけます。まるみデパート駐車場からは徒歩2分程度。一軒家に到着しました。

中に入ると、ナチュラルに整った空間にきちんとセットされたダイニングテーブル。窓からは畑が見え、鳥や蝶々が遊びに来る、自然豊かでのどかな眺め。

東京からIターンで御調町に来られたご夫婦。渋谷で10年以上、人気のワインダイニングバーを営む中で、「畑の近くで、農業に携わりながらお店がしたい」という思いで移住を決断。

日本全国ざまざまな場所を検討した中、全てがちょうど良くて暮らしたいと思ったのが御調。

「御調町と渋谷の便利さは同じです。生活に必要なものは5〜10分移動すれば手に入りますから。」というオーナーの岡崎さん。

御調には、念願の畑や、楽しさ、挑戦、面白さを感じる、「何かを作る」という、日々の暮らしを豊かにするものがたくさん見つけられる場所なんだそう。こんなにフラットに、自分に必要なものや、暮らし方を考えれるなんて素敵!

ご夫婦の「暮らしを楽しむ」「豊かに生きる」生活を、ご自宅のダイニングテーブルで体験できる、ここにしかない食体験ができます。

この日のメニュー。全てコース料理で品数は10品。ドリンクは御調町の名産、パパイヤを使ったパパイヤ酢ドリンクを。

お友達はスパークリングをオーダー。ワインバーをされていただけあって、ワインセラーもあり、豊富に揃っています。

早速ランチのスタートです。

一皿目は、3種の前菜。

自家製鴨の生ハムと林檎のロースト・ミルクチョコレートレバー・自家製ロースハムとルーコラ。

ハムは全て自家製。りんごはスモークの香りでローストされていて大人味。ルーコラは直前にお庭で摘んできたもの。春先は甘味、気温の上がってきた6月頃からは辛味が出てきて、夏場の暑い時期には苦味が出てきたりと、同じ葉でも時期で全く味わいが異なるんだそう。

ミルクチョコレートレバーはとにかくお酒にぴったりの奥深い味わい!どれも目を瞑って楽しみたくなる、至福の3種でした。

二皿目は鶏のタルタルのサラダ仕立て

鶏のタルタルの上には、本日の野菜が28種類!この日は、赤紫蘇、アマランサス、エンダイブ、オキザリス、からし菜、カーリーケール、春菊、スペアミント、ソレル、ディル、トレビス、パクチー、ビーツの葉、フェンネル、リーフセロリ、ルーコラ、レッドロシアンケール、わさび菜、黒ニンジン、白ニンジン、紅芯大根、ビーツ、ケールの花、撫子、パクチーの花、ペンタス、フレッシュパクチーシード。

全てお庭で目の前で積んできてから盛り付けられます。

一度も冷蔵保存されていない味わいは、野菜にかかるストレスの無さからか、濃くしっかりとした味わいを感じました。

また、パクチーは葉、花、シードと各部位が入っていて、花がいちばんパクチーなことにおろどき!シードは柑橘のような味わい、葉はクセのない爽やかさが印象的でした。植物が生きるために、各部位で持っている成分が違っていることも体感。

一括りに「野菜」と言っても本当に奥深い!!

三皿目、豆とビーツ、さや大根。

サヤ大根は、大根が花をつけた後にできる実の部分。お豆の形なのに、しっかり大根の味がします。お豆も、グリーンピースやそら豆、スナップエンドウの他、ツルの部分も食べることができます。

豆の香りとほんのり苦味のある味が、ビーツの甘さと絶妙に合っていました。

四皿目は、新タマネギと黒・白ニンジンのロースト。五皿目はケールソテーとケールスープ。

根菜類の持つ甘味と土の香り、ケールの持つブロッコリーや芽キャベツのようなほのかな甘味。大地をいただく感覚がもう嬉しくて、盛付けもとってもきれいで心が豊かになっていく感覚。

余談ですが、このコース、なんと3800円。一皿で換算するとなんと380円!!

「サ○○リアと戦ってますから〜」と、冗談を言う岡崎さんから、今を楽しんで生きている姿が眩しいくらい感じました。

六皿目はホタルイカとブロッコリーのソテー ひよこ豆のソース

七皿目は鶏と筍の軽いラグーソース・コンキリエ。

トマトソースでソテーされたホタルイカとブロッコリー、オリーブの味わいも効いていて、赤、白ワインどちらにも合いそうな、イタリアンな一品。パスタは、筍の木の実和えをパスタにしたような和のテイストで山椒の葉が爽やか!

八皿目は豆ご飯。

グリーンピースや空豆のリゾット風のご飯に、パルミジャーノレッジャーノがたっぷり。軽いテイストのパスタから、しっかり目のリゾットでお腹もしっかり満たされます!

九皿目のメイン料理は、豚バラ肉のオレンジにと八朔。

ほろっと崩れる柔らかさの豚バラ肉に、爽やかな柑橘とかすかに香るシナモン!こんなお料理があったんだ!と驚き!

八朔やパクチーの花、ミントとの相性も抜群で、華やかな逸品でした。

最後はデザート。ガトーショコラとローズマリー塩・レモンのシャーベット。

ドリンクはフレッシュハーブティーです。

ローズマリー塩は、自家製のローズマリーに塩の結晶をつけた、オリジナルソルト。少しずつほぐしながらチョコレートと合わせると、無限に食べていたい、甘い×しょっぱい、ローズマリー×カカオの香り!

ハーブティーもミントがとっても甘みがある!この甘味があるのは、春から初夏の味わいなんだそう。夏の味も秋の味も気になるところです!

お食事中に眺めた庭先には、野鳥が木の実を食べにきたり、蝶々が戯れていたり。

自然と共生していると、植えた覚えがない植物やハーブが育っていることもよくあるそう。農業も岡崎さんらしさのあるナチュラルな方法です。

「驚くような料理が出てくるわけでもなければ、絶景を楽しめるロケーションでもない。いつもの暮らしのちょっと先で、心地よい食事の時間を共有したい」

その言葉に、「本当の贅沢」を、ごく当たり前の日常として楽しんでいる岡崎さんの、豊かな生き方を楽しむ、ここにしかない食体験に感動しました。

「食事」という一言では収まらない、一皿ごとに豊かさと向き合うことのできる、本当の贅沢に触れるランチ。

是非体感してみてください。