箱の中に隙間なく並んでいるのは、ドーナツ型のクッキー。
そっと一枚とりだして味わえば、小麦とバターの風味がふわりと広がる。
サックリ軽い食感とその控えめな甘さは、珈琲や紅茶はもちろん牛乳にもよく合う。
祖父の考案したクッキーの味を今なお守り続けるのは、三代目の伊藤明美さん。
小麦粉、バター、砂糖、卵、牛乳、生クリームなど材料はごくシンプルで、香料や保存料などの添加物は不使用。
生地にしっかりと空気を含ませることで、あの軽やかな食感が生まれる。
絞り出し袋を使って生地をスタンプのように絞り、アーモンドをちょこんとのせたらオーブンへ。
単純なようでいて力加減にはコツが必要で、伊藤さんは一日に2千500枚のクッキーを焼き上げる。
当たり前のことをただひたすら丁寧に。
この繰り返し作業が、『コメット製菓』のおいしさのヒミツ。