四国・香川の北西に浮かぶ小豆島は、おだやかな瀬戸内海に囲まれ高い山々も近い自然豊かな島です。自然が生み出した絶景や豊かな食材、グルメ、そして、どこか懐かしい日本の原風景やイベントなど、都会ではなかなか味わえない魅力がたくさんです。
小豆島ってどんなところ?
四国・香川の北西に位置し、瀬戸内海に浮かぶ小豆島は、その中心には高い山々がそびえ、海も山も近い自然に囲まれた島です。岩が浸食されて生まれた「寒霞渓(かんかけい)」や潮の満ち引きにより現れる「エンジェルロード」、地元の人も不思議がる「小瀬の重岩(かさねいわ)」など、訪れて目に焼きつけたい絶景スポットがたくさんです。
日本で最初にオリーブ栽培に成功したことから、国産オリーブオイルをはじめとするオリーブを使った加工品やオリーブ製品は全国的にも有名です。醤油造りも古くから行われていて「醤(ひしお)の郷」と呼ばれるエリアには、歴史ある醤油製造元やもろみ蔵が建ち並んでいます。
また、ここで作られた醤油と小豆島産の食材がコラボした「ひしお丼」といったご当地グルメもあります。小豆島の気候風土に育まれた「小豆島手延べそうめん」も見逃せない味覚です。これらのご当地グルメを堪能するのも小豆島旅行の楽しみの1つといえるでしょう。
弘法大師空海にゆかりの場所でもあり、島内には小豆島八十八ヶ所霊場が点在しています。お遍路さんや参拝客も多く、観光スポットとしても人気です。日本近代映画の名作「二十四の瞳」は小豆島が舞台。当時のオープンセットが保存された「二十四の瞳映画村」では、昭和初期のノスタルジックな雰囲気を体感できます。
小豆島旅行の見どころ
瀬戸内海と自然が作り出す絶景を眺める
高い山々が島の中心にあり瀬戸内海に囲まれた小豆島は、自然の宝庫です。「寒霞渓(かんかけい)」は、瀬戸内海でも最高峰の星ヶ城(標高817m)の南にあって、火山活動で作られた岩肌が浸食されてできた奇岩が多く見られる景勝地です。登山を楽しみながら、また、ロープウェイで一気に登ることもできます。
大阪城築城の際の大石を切り出した石切丁場の1つだった小瀬にある「重岩」は、重なり合った巨大な岩に圧倒されます。自然にできたものか、人工的なものか、地元の人にもわからないという神秘的な光景が見られます。
陸地の弁天島から4つの島にかかる「エンジェルロード」は、1日2回引き潮の時に海の上に現れる砂の道です。大切な人と手をつないで渡ると願いが叶うという人気のパワースポットとなっています。
国内オリーブ栽培発祥の地でオリーブを堪能!
小豆島は、明治時代に日本で唯一オリーブの栽培に成功した「日本のオリーブ栽培発祥の地」です。現在、日本でも有数のオリーブの産地として有名です。
オリーブの実やオリーブオイルをはじめ、ドレッシングや化粧品などのオリーブ製品、オリーブで育った牛や豚などの畜産加工肉まで、たくさんの種類の商品が販売されています。そして、観光スポットや飲食店でもオリーブ料理やスイーツが堪能できます。
オリーブ栽培発祥の場所でオリーブの原木と森がある「小豆島オリーブ園」など、様々なオリーブ農園があり観光で訪れることができます。オリーブ畑と真っ白い風車がある「道の駅 小豆島オリーブ公園」では、原産地の地中海を感じさせる景色の中、オリーブの歴史やオリーブオイルについて学ぶことができます。
江戸時代から続く醤油の産地!小豆島の「醤の郷」を散策
塩造りが盛んで、海上交通の要衝でもあった小豆島では、良質な原料と気候にも恵まれたことから、江戸時代に入り醤油造りが始まりました。小豆島町安田地区から坂手港へ向かう県道沿いには、400年以上の歴史を持つ醤油製造元やもろみ蔵、そして醤油を使った佃煮工場が集まっています。
「醤(ひしお)の郷」とも呼ばれるこの界隈には、その古い景観が保存整備されていて、工場見学ができる製造元もあります。「マルキン醤油記念館」では、大正時代の工場を改装した館内で小豆島の醤油の歴史や製造法などを学べます。人気のしょうゆソフトクリームも見逃せません。
観光スポットや伝統行事から小豆島の歴史・文化を知る
小豆島は弘法大師空海が生誕地である讃岐(現在の香川県)から京都へと往来する際に立ち寄り、修行した場所と言われています。島の各所にその霊場があり、1月21日の弘法大師の月命日には「小豆島八十八ヶ所霊場 島開き法要」も行われ、毎年、お遍路さんや参拝客が多く訪れます。
毎年4月21日と12月21日の弘法大師の月命日には、「西光寺」の門前で市が開かれ、にぎわいをみせます。坂手港を眼下に望む「洞雲山」や自然の岩場を鎖を伝って登る「奥之院 笠ヶ瀧」などは、山岳霊場として大自然の中の祈りの場となっています。
また、小正月に行われる「とんど」や、稲の豊作を祈る「中山虫送り」など、日本の古き良き伝統行事が見られるのも小豆島の魅力でしょう。
小豆島出身の女流作家・壺井栄原作の「二十四の瞳」は、日本映画黄金時代の真っ只中であった1954年に映画化されました。日本近代映画の名作の1つとなったこの映画は小豆島で撮影され、「二十四の瞳映画村」にそのオープンセットが保存されています。訪れると昭和初期のノスタルジックな風景が広がり、当時の暮らしが垣間見られます。
オリーブ、醤油以外にも!小豆島のご当地グルメを味わう
小豆島のオリーブやオリーブ製品、醤油は有名ですが、それを使った「ひしお丼」も見逃せません。醤の郷で作られた醤油やもろみと小豆島の豊かな食材を合わせた個性豊かな創作丼を、それぞれのお店が競うように提供しています。箸休めもご当地グルメのオリーブか佃煮というこだわりです。
三輪そうめん、播州そうめんと並び、日本3大そうめんの1つに数えられているのが「小豆島手延べそうめん」。温暖な瀬戸内海に囲まれた気候風土が育む、昔ながらの手延べ技法で作られたそうめんは、お土産としても人気です。同じくご当地グルメのオリーブを練りこんだグリーンのオリーブそうめんなどもあります。
工場直売所では、工場見学やそうめん作り体験とともにその味も楽しめます。そうめん料理を提供しているレストランなどもありますので、ぜひ本場の味を堪能してください。
小豆島町エリア
島の中心にある高い山々の南東側に位置する小豆島町には、内海湾を中心に多くの観光スポットが集まっています。
日本三大渓谷美の1つに数えられる「寒霞渓」、傾斜地におよそ700枚もの棚田が並ぶ「中山の千枚田」、山の上まで祈りを込めて登り参拝する霊場の「洞雲山」、白い砂浜が美しい「オリーブビーチ海水浴場」などは、小豆島の自然の中で満喫できるスポットです。
日当たりのよい南側の瀬戸内海沿いには「道の駅 小豆島オリーブ公園」があります。小豆島の代表的な特産品ともなっているオリーブやオリーブオイルについて学び、味わい、体験が楽しめます。
内海湾を囲み突き出るような半島の突端近くにある「二十四の瞳映画村」には昭和初期の風景が残されたスポット。ノスタルジーに浸りつつ、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょう。
寒霞渓(かんかけい)
「寒霞渓」は、およそ1,300万年前の火山活動によって作られた岩が浸食されてできた渓谷です。日本三大渓谷美の1つとされ、表12景、裏8景からなる景勝地として人気の観光スポットとなっています。
島のロープウェイが、麓のこううん駅から約5分で山頂駅までを結びます。乗車すれば、空中から寒霞渓の奇岩と四季折々の自然が織りなす絶景や瀬戸内海が360度の大パノラマで一望できます。
往復約2時間(片道約1時間)の登山道も整備されていて、自然を間近に眺めながらゆっくり登ることもできます。ロープウェイで登って、登山道をハイキングしながら下るといった、空中と地上から寒霞渓の自然を満喫するコースもおすすめです。
中山の千枚田
小豆島のほぼ中央にある中山地区の、三方を山に囲まれた傾斜地にある、およそ700枚もの棚田が通称「中山の千枚田」です。室町時代から江戸時代に造られた棚田は、わずか畳1畳分ほどしかないものも。
田に張られる水は、環境省が選ぶ「日本名水百選」の1つである「湯船の水」で、毎年、おいしいお米が収穫されることでも知られています。田植えの頃には水に空や雲が映り、秋には稲穂が黄金色に輝くなど、季節により美しい景色が楽しめるこの場所は、「日本の棚田百選」にも選ばれています。
二十四の瞳映画村
小豆島町田浦地区の瀬戸内海を見渡せる海岸沿いにある「二十四の瞳映画村」は、小豆島出身の女流作家壺井栄(つぼいさかえ)原作の小説で、1954年に公開された映画「二十四の瞳」のロケで使われたオープンセットを保存、改築した施設です。
一歩足を踏み入れると、木造校舎や漁師の家、町並みなど、昭和初期のノスタルジックな風景が広がり、フォトジェニックです。「壺井栄文学館」では、壺井栄と共に小豆島が生んだ詩人で栄の夫である壺井繁治、作家の黒島伝治を紹介しています。
「キネマの庵」では、日本映画黄金期ともいわれた1950年代を写真や映像で振り返ります。昭和の懐かしい給食セットや小豆島のご当地グルメ「ひしお丼」などが味わえるカフェも併設されています。外壁に描かれたポップな壁画アート「恋のダンスパーティ」は、SNS映えスポットとしても人気です。
またフィギュアの世界最大手の海洋堂公認ギャラリー「フィギュアギャラリー海洋堂」では、リアルで躍動感あふれるフィギュアの数々がテーマ別に展示されています。「花咲か爺さんの花畑」には春は菜の花、夏はヒマワリ、秋はコスモスと季節ごとに花々が咲きほこります。
道の駅 小豆島オリーブ公園
草壁港から車で約5分、内海湾に面する小高い丘にある「道の駅 小豆島オリーブ公園」には、約2,000本のオリーブ畑が広がっています。「オリーブ記念館」では、オリーブの歴史やオリーブオイルの特質を学べます。
「花と香りのガーデン」では約120種類のハーブが栽培されています。ガーデン内の「ハーブショップコリコ」は、映画「魔女の宅急便」に登場した「グーチョキパン屋さん」のロケセットを移築したもの。ハンドメイドのフラワーアクセサリーや雑貨が販売されているおしゃれな店内では写真撮影もできます。
芝生の上に建つ「ギリシャ風車」は、園内でも絶好の写真撮影スポットです。真っ白な風車は空と瀬戸内海の青とのコントラストがひときわ美しく、芝生やオリーブの緑にも生えます。ほかにも小豆島産オリーブオイルたっぷりのパスタが味わえるレストラン、オリーブとハーブを使ったクラフト体験、ロッジやオートキャンプ場といった宿泊施設もあります。滞在してゆっくりと公園を楽しむのもいいですね。
オリーブビーチ海水浴場
「オリーブビーチ」は「道の駅 小豆島オリーブ公園」からもほど近い、白い砂浜が約700m続くビーチです。7月から8月下旬までの夏場は、海の家が立ち、マリンアクティビティも楽しめる海水浴場として、多くの人でにぎわいます。
無料駐車場や水洗トイレ、シャワーなどが完備され、波も比較的穏やかなことから子供連れでも利用しやすいスポットです。
洞雲山(どううんざん)
坂手港を見下ろすようにそそり立つ「洞雲山」は、小豆島八十八ヶ所霊場の第1番札所で山岳信仰の地として知られています。自然の洞窟を利用した祠で、参道には仏像が置かれ、境内には樹齢300年といわれる松の大木があります。
また、夏至をはさんだ約50日間、しかも晴天の日の午後3時過ぎのわずか数分間にしか見られない「夏至観音」が有名です。太陽の光が洞窟に差し込み、周りの岩肌に観音様のかたちの光が映し出される不思議な自然現象で、そのありがたく貴重な姿を一目見ようと、この時期は特に多くの参拝客が訪れます。
夕陽スポットとしても人気で、目の前の内海湾や半島の先に沈む美しい夕陽を眺めることができます。
土庄町(とのしょうちょう)エリア
小豆島の北西部を占める土庄町では、島外からのフェリーがもっとも多く発着する土庄港を中心に観光スポットを巡るのがおすすめ。「土庄港観光センター」は旅の始めに観光情報を手に入れたり、旅の終わりのお土産選びも楽しめる便利なスポットです。
「土渕(どふち)海峡」は、世界で最も狭い海峡としてギネスにも認定されました。海峡にかかる橋を渡れば、土庄町役場で証明書も発行してもらえます。小豆島町と並ぶ景勝地にある「銚子渓 自然動物園お猿の国」では、野生の猿を間近に観察しましょう。
「奥之院 笠ヶ瀧」は小豆島八十八ヶ所霊場札所の1つです。鎖をつたってしか登れない急な岩肌の上にある本殿にはくぐると願いが叶うという「くぐり岩」があり、パワースポットとしても人気です。
このエリアには他にもパワースポットと呼ばれる場所があります。「小瀬の重岩」は、どのようにしてそうなったのか巨大な岩が不思議な形で重なり合っています。潮が引いた時にだけ海の中に現れる「エンジェルロード」は、大切な人と訪れて手をつないで渡りたい、人気の縁結びパワースポットです。
エンジェルロード(天使の散歩道)
弁天島から中余島、小余島、大余島までの間を結ぶ、1日2回引き潮の時にだけ現れる砂の道が「エンジェルロード(天使の散歩道)」です。神秘的なエンジェルロードの上を大切な人と手をつないで渡ると、願いが叶うといわれていて、ロマンティックな縁結びスポットとしても有名です。
渡る手前の弁天島には「約束の丘展望台」があり、出現したエンジェルロードを見渡すことができます。道が現れる予想時間は、下記ホームページよりご確認ください。
銚子渓 自然動物園お猿の国
「銚子渓 自然動物園お猿の国」は、寒霞渓と並び小豆島の景勝地として知られる「銚子渓」の自然に暮らす500匹あまりの猿たちを間近に見ることができるスポットです。春には出産ラッシュ、夏には水浴びする様子、冬には寒さをしのぐために猿たちがぎゅっと集まった「猿団子」と呼ばれる光景が見られます。
エサやり場では、猿たちに直接エサをあたえる体験もできます。飼育員がそばにいるので安心です。また、飼育員と猿の掛け合いが楽しいモンキーショーも開催されています。
土渕(どふち)海峡
小豆島本島の渕崎地区と土庄町前島の間にある全長2.5kmの「土渕海峡」は、ギネスでも認定された世界で1番狭い海峡です。最も狭いところは幅9.93mで「永代橋」がかかっています。海峡にはほかにも「ふれとぴあ橋」、「オリーブ大橋」もかかっていますが、せっかくなら1番狭い「永代橋」を渡ってみてはいかがでしょう。
海峡そばにある土庄町役場では、絵はがきとしても使える横断証明書を発行してもらえるので、旅の記念にするのもいいですね。
奥之院 笠ヶ瀧
小豆島の霊場は山岳霊場とも呼ばれています。幸せへの祈りを込めながら厳しい岩山を登る修行をした後にたどり着く山頂にお寺や庵が多くあります。小豆島八十八ヶ所霊場の第72番札所の「奥之院 笠ヶ瀧」は、鎖をつたいながら自然の岩場を登っていく霊場です。
参道には三十六童子の石仏が並び、山頂近くの洞窟にある本殿内陣には、御本尊の不動明王立像が安置されています。本殿には、くぐると願い事が叶うといわれている六角形の穴がある「くぐり岩」もあります。縁結びにご利益があるともいわれ、話題のパワースポットとなっています。
小瀬の重岩(かさねいわ)
小豆島はかつて大阪城築城のための大石を切り出していたという歴史があり、当時20カ所以上あったとされる石切丁場跡が今も保存されています。小豆島西端の小瀬もその1つです。山を登っていくと、山頂に重なり合った巨大な岩が出現します。
自然のものか、人工的にできたものなのか、はっきりしませんが、神秘的で壮大な光景に圧倒される「小瀬の重岩」は、天からパワーが降りそそぐともいわれる注目のパワースポットです。山頂からは眼下に瀬戸内海が一望でき、美しい夕陽が眺められるスポットとしても知られています。
土庄港観光センター
小豆島でも船の発着便数が最も多い土庄港のすぐ近くにある「土庄港観光センター」は、手延べそうめんやオリーブ製品などの小豆島の特産品や名産品などが常時約1,000種類そろっています。
軽食・喫茶コーナーではそうめんやさぬきうどんのほか、ご当地ならではの醤油やオリーブオイルをかけたソフトクリームも味わうことができます。
観光情報スペースやレンタサイクル、手荷物預かりのサービスもあります。土庄港を起点に小豆島観光をスタートさせたり、また、旅の終わりにまとめてこちらでお土産選びを楽しんでもいいですね。
小豆島のご当地グルメ
小豆島の醤油
16世紀後半、大阪城築城用の採石のために小豆島にやってきた大名たちがもたらした紀州・湯浅の醤(ひしお)が、小豆島の醤油造りのルーツです。そして、古来より塩づくりが盛んだったことや海上交通の要衝として原料である良質な大豆や小麦が集まったこと、温暖な気候にも恵まれたことから発展してきました。
今も昔ながらの製法で400年以上の歴史を持つ醤油造りを受け継いでいる古い醤油工場やもろみ蔵も数多くあり、「醤(ひしお)の郷」とも呼ばれています。工場や蔵は見学できるところもあります。また、島内各所で醤油はもちろん、醤油を使った佃煮やお土産品などを手に入れることができるのです。
マルキン醤油は1907年創業の醤油醸造の老舗。大正初期に建てられた工場の1つを改装したのが「マルキン醤油記念館」で、1996年には国の登録有形文化財にも指定された貴重な建物です。醤油ができるまでの行程をパネルなどで紹介するほか、帳面などの古文書も展示しています。
また、創業当時から実際に使われていた大きな木桶「大桶(おおこが)」をくり抜いたトンネルも置かれています。くぐり抜けると、およそ100年前の工夫を凝らした醤油造りのための道具類が展示されています。隣接する物産館で販売されている、記念館限定のしょうゆソフトクリームも人気です。
ひしお丼
「ひしお丼」は、小豆島の豊かな食材を1つの丼にまとめたご当地グルメです。その名前を名乗るには3つの条件があります。1つ目は、歴史ある醤油の産地「醤(ひしお)の郷」で作られた醤油やもろみを使うこと。2つ目は魚介や野菜、オリーブなど小豆島の食材を使うこと。そして3つ目は箸休めがオリーブか佃煮であること、となっています。
小豆島内の観光スポットや飲食店では、それぞれに食材の組み合わせや調理法に工夫を凝らしたひしお丼が味わえます。小豆島の食材を活かしたご当地丼を旅の思い出に堪能してください。
オリーブ・オリーブ製品
1908(明治41)年に、香川、三重、鹿児島で輸入したオリーブの苗木を試験的に植えたのが、日本でのオリーブ栽培の始まりでした。他の地域ではうまく育ちませんでしたが、地中海の気候に似ている小豆島のオリーブの木だけが順調に育ち、小豆島は「日本のオリーブ栽培発祥の地」となったのです。
大正の初めには搾油ができるほど実がなるまでになり、栽培面積も増えました。1967年にはオリーブが香川県の県木としても選ばれています。
現在は、オリーブオイルはもちろん、ドレッシングやなどのオリーブ製品、オリーブや搾油後の実などを与えて育てられた畜産加工肉など、様々な商品が作られています。また、それらを食材として使った料理やスイーツなども多く見られ、グルメスポットで味わうことができます。
小豆島町西村にある「小豆島オリーブ園」は、まさに小豆島のオリーブ栽培発祥の場所で、100年以上実り続けている日本最古のオリーブの原木と森があります。レストランでは茹で上げパスタにエキストラバージンオイルをたっぷりかけて食べることができます。マイオリーブオイルブレンド体験では、世界各国ののオリーブオイルを自分好みにブレンドしたものを、旅の思い出にお土産として持ち帰ることもできます。
小豆島手延べそうめん
兵庫の「播州そうめん」、奈良の「三輪そうめん」とならび、日本三大そうめんの1つとされる小豆島手延べそうめんは、その技術が伝えられたのが今から約400年前といわれています。瀬戸内海に浮かぶ小豆島の気候風土はそうめん作りに最適で、良質の小麦や塩、ごま油も豊富だったことから、そうめんの産地となったのです。
今でも昔ながらの手延べ製法が守られていて、モチッとした食感とツルツルとした喉ごしのそうめんが丁寧に作られています。小麦のシンプルな白いそうめんのほかにもオリーブを加えたオリーブそうめんなどもあり、レストランなどで味わえるほか、お土産にもぴったりです。
「小豆島手延べそうめん作兵衛」は、工場直売所でそうめんを味わえるスポットです。つけそうめんはもちろん、半生タイプのそうめんが味わえるのも工場直売所ならではです。また、そうめんを伸ばしていく工程の「はし分け」体験も楽しめます。
小豆島への主要エリアからのアクセス・所要時間
飛行機で行く
- 東京・羽田空港、千葉・成田空港から土庄港・池田港・草壁港まで(フェリー利用):約3時間10分
羽田、成田〜(飛行機:約1時間20分)〜香川・高松空港〜(リムジンバス:約40分)〜高松駅〜(徒歩:約10分)〜高松港〜(フェリー:約1時間)〜土庄港・池田港・草壁港 - 東京・羽田空港、千葉・成田空港から土庄港まで(高速船利用):約2時間45分
羽田、成田〜(飛行機:約1時間20分)〜香川・高松空港〜(リムジンバス:約40分)〜高松駅〜(徒歩:約10分)〜高松港〜(高速船:約35分)〜土庄港 - 東京・羽田空港、千葉・成田空港から坂手港まで(ジャンボフェリー利用):約3時間15分
羽田、成田〜(飛行機:約1時間20分)〜香川・高松空港〜(リムジンバス:約40分)〜高松駅〜(バス:約5分)〜高松東港〜(ジャンボフェリー:約1時間10分)〜坂手港
新幹線で行く
全国各地から岡山駅まで
- 東京駅から:約3時間20分(新幹線のぞみ)
- 名古屋駅から:約1時間35分(新幹線のぞみ)
- 新大阪駅から:約50分(新幹線さくら)
- 広島駅から:約35分(新幹線のぞみ)
- 博多駅から:約1時間45分(新幹線のぞみ・みずほ)
岡山駅から小豆島各港まで
- 土庄港・池田港・草壁港まで(JR快速、フェリー利用):約2時間5分
岡山駅〜(JR快速マリンライナー:約55分)〜高松駅〜(徒歩:約10分)〜高松港〜(フェリー:約1時間)〜土庄港・池田港・草壁港 - 土庄港まで(JR快速、高速船利用):約1時間40分
岡山駅〜(JR快速マリンライナー:約55分)〜高松駅〜(徒歩:約10分)〜高松港〜(高速船:約35分)〜土庄港 - 坂手港まで(JR快速、ジャンボフェリー利用):約2時間15分
岡山駅〜(JR快速マリンライナー:約55分)〜高松駅〜(徒歩:約10分)〜高松港〜(ジャンボフェリー:約1時間10分)〜坂手港 - 土庄港まで(新岡山港経由、フェリー利用):約1時間50分
岡山駅〜(バス:約40分)〜新岡山港〜(フェリー:約1時間10分)〜土庄港
全国各地から新神戸駅まで
- 東京駅から:約2時間40分(新幹線のぞみ)
- 名古屋駅から:約1時間30分(新幹線のぞみ・ひかり)
- 博多駅から:約2時間15分(新幹線のぞみ・みずほ)
新神戸駅から小豆島まで
坂手港まで:約3時間10分
新神戸駅〜(神戸市営地下鉄:約5分)〜三宮駅〜(バス:約5分)〜神戸港新港〜(ジャンボフェリー:約3時間)〜坂手港
※詳細は各交通機関HPをご覧ください。
高松空港HP
JRおでかけネット(JR西日本)HP
ことでんグループ高松空港リムジンバスHP
岡山電気軌道バスHP
小豆島フェリーHP
両備小豆島フェリーHP
内海フェリーHP
小豆島ジャンボフェリーHP
高松空港・新幹線の停車駅JR岡山駅を紹介
高松空港
香川県高松市の「高松空港」は、香川県の空の玄関口です。1階は到着ロビーとチェックインカウンター、2階は出発ロビー、3階は送迎デッキとなっています。香川県はもちろん四国のお土産を集めたショップや、香川県のご当地グルメである讃岐うどんや骨付鳥などを味わえる飲食店も並びます。フライトまでの待ち時間にお土産選びやグルメを楽しんでもいいですね。
2階の香川県各市町の観光特産品をPRするコーナーの「空の駅かがわ」には、珍しい「出汁の出る蛇口」があります。うどん県とも呼ばれる香川県では、「蛇口をひねればうどんのダシが出てくる」といった都市伝説があり、それにちなんだ遊び心あふれるスポットです。蛇口から出てくるのは、コンブ・カツオ・いりこを使ったシンプルな出汁で試飲することもできます。
岡山駅
岡山市の中心地にあるJR岡山駅は、新幹線、在来線が発着する駅です。2階が中央改札口、新幹線・在来線コンコースとなっています。地下には在来線コンコースがあり、地下街の岡山一番街と直結しています。
また、複合商業施設のさんすて岡山も隣接していて、ショッピングを楽しむこともできます。小豆島の土庄港に向かうフェリーが発着する、新岡山港までのバスも駅前から出ています。
小豆島の年間イベント情報
1月
とんど
「とんど」は、お正月飾りとともに竹などで組んだやぐらである「とんど」に火をつけ、1年の無病息災を祈る伝統行事です。小正月(1月15日)の頃に小豆島の各地区で開催されます。
地元の田浦自治会と共同で開催される「二十四の瞳映画村」で見物することもできます。まずは山伏がホラ貝を吹いて映画村内を練り歩きます。結界を切り点火すると、とんどは一気に燃え上がります。
火にあたり、またその火で焼いた餅を食べると、ご利益を頂けるとのこと。当日は、見物客にも餅や焼きみかんなどが振る舞われます。
小豆島八十八ヶ所霊場 島開き法要
毎年1月21日に開催される「小豆島八十八ヶ所霊場 島開き法要」は、春の巡拝(じゅんぱい)の始まりを注げるものです。この日は弘法大師の月命日に当たり、小豆島を訪れるお遍路さんの1年間の道中安全を祈ります。
当日は寺院関係者や参拝者、そして島民が土庄港でお遍路さんを出迎え、そこから行列になって小豆島霊場会総本院までの約1kmを練り歩きます。
4月、12月
西光寺 大師市
「大師市」は、小豆島八十八ヶ所霊場第58番札所である西光寺の門前通りで、毎年4月21日と12月21日に開かれます。21日は弘法大師の月命日に当たることから、1914(大正3)年の春以来、年2回開催されている伝統的な市です。
当日は、通りの両側に地元の農産物や食べ物、お花などを販売する露店が並び、大勢の人で賑わいます。
5月
小豆島オリーブマラソン全国大会
毎年5月、新緑が美しくオリーブの花が咲くころに開催されるのが「小豆島オリーブマラソン全国大会」です。坂手港町営広場をスタートし、坂田湾や内海湾を眺めながら走るコースで、5km、10km、ハーフマラソンの3つのコースとなっています。
10kmとハーフマラソンでは、「マルキン醤油記念館」をはじめとする醤油の古い蔵が立ち並ぶ「醤の郷」を通りながら走ることができます。全国から、たくさんのマラソンランナーが集まる人気の大会です。また、参加者全員に地場産品なども入った参加賞が準備されています。
7月
中山の虫送り
「虫送り」は、夏至から11日目にあたる半夏生(はんげしょう)の日に、火手(ほて)と呼ばれる竹のたいまつを田んぼにかざしながらあぜ道を歩き、稲につく害虫駆除と豊作を願う行事です。中山地区では約300年前から伝統的に続けられてきましたが、数年ほど途絶えていました。
2011年公開の映画「八日目の蝉」で、中山の虫送りがクライマックスシーンの1つとして撮影されたことがきっかけとなり、復活した行事です。暗がりの中、千枚田のあぜ道をたいまつの炎の行列が、ゆらゆらと移動していく幻想的な光景が見られます。
8月
安田おどり
小豆島町安田地区で毎年8月14日に開催される「安田おどり」は、江戸時代の延宝年間(1673〜1681年)に安田出身で京都で名を馳せた歌舞伎役者が故郷のために作った踊りだと伝えられています。
男性はハッピに黒い帯、ハチマキでうちわを手に。そして、女性は浴衣に市松模様の文庫帯姿で扇を持って、輪になって踊ります。古くは旧盆に当たる8月13〜 15日の3日間踊られていましたが、現在は戦死者の追善と初盆を迎えた新仏の供養という目的で、14日に開催されています。
10月
亀山八幡宮例大祭 押し込み
小豆島町池田にある亀山八幡宮で毎年10月16日に開催される「亀山八幡宮例大祭」は、勇壮な祭りとして有名です。小豆島で行われる秋祭りの最後を飾るもので、毎年盛大に開催されています。
ふんどし姿の漕ぎ手による網船に、太鼓台をのせて太鼓を叩き、歌を歌いながら、にぎやかに浜の鳥居を目指して進みます。陸には担ぎ手が待っていて、船が着岸すると同時に、威勢よく太鼓を下ろして馬場まで一気に担ぎ込むのです。
この神事が「押し込み」と呼ばれるもので、祭りの見せ場の1つとなっています。明治の初めから始まったとされていますが、一度途絶え、1980(昭和54)年に復活したものです。神浦地区の太鼓台は、他の地区の太鼓台の先頭を切って八幡宮に入ります。
小豆島観光の移動手段
路線バス
小豆島オリーブバスの運行する路線バスが、海岸線沿いを中心に、島内の多くのエリアをカバーしています。島の玄関口である6つのフェリー発着港にもアクセスしているので、観光の移動手段として便利です。乗り放題のフリー乗車券なども使って、お得に乗車しましょう。
レンタカー
車の運転ができるのであれば、レンタカーという手もあります。バスが通っていない場所を訪れる際もレンタカーが便利です。バスの待ち時間や発着時間を気にせずに移動することもできます。小豆島内のそれぞれのフェリー発着港にレンタカーショップがあり、到着したらすぐレンタカーで観光に出発するプランもいいですね。
事前にチェックして、必要であれば早めの予約がおすすめです。宿泊施設によっては、宿泊者のみを対象としたレンタカープランなどもあるので上手に利用してください。
レンタサイクル
フェリー発着港などを中心に狭いエリアを観光するのであれば、レンタサイクルも便利です。潮風を感じながら周りの自然や町並みを間近に見つつ観光が楽しめます。こちらもフェリー発着港に多くのレンタサイクルスポットがあります。電動アシスト自転車やレンタルバイクを扱っているところもありますので、お好みに合わせて選んでください。事前に予約しておくとスムーズです。
お得なフリーチケット
小豆島フリー乗車券
小豆島全域をカバーする路線バスの小豆島オリーブバスに、1日もしくは2日間乗り放題のフリー乗車券です。
【料金】
- 1日乗車券
大人1,000円
小人 500円 - 2日乗車券
大人1,500円
小人 750円
【発売場所】
小豆島オリーブバス(土庄港ターミナル内)、小豆島町観光協議会、土庄港観光センター、ジャンボフェリー船内売店ほか小豆島内各フェリー発着港、島内ホテルなど
【公式サイト】
http://www.shodoshima-olive-bus.com/tickets.html
よくある質問Q&A
- 飛行機でどのくらいかかりますか?
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小豆島には空港がないことから高松空港が最寄り空港です。東京・羽田空港、千葉・成田空港からは、飛行機とフェリーを乗り継いで、小豆島の土庄、池田、草壁の各港まで約3時間10分の所要時間です。
- 小豆島の気候はどうですか?
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瀬戸内海に浮かぶ小豆島は、温暖で雨が少ない気候です。夏の最高気温は31度前後になる日も。冬は雪が降ることはあっても年に1、2回程度で積雪も少ないです。
- 何泊くらいが最も楽しめるでしょうか?
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小豆島は面積はそう広くないことから、1泊でも十分に楽しめます。ただし、訪れるのには各種交通機関やフェリーなどへの乗り継ぎが必須です。到着が遅い時間となる場合などは宿泊日数を増やして、滞在時間を多めに取り、旅行を楽しみましょう。